
<コラム>効果的なストーリーテリングとは?
ストーリーテリングとは、物語を使って情報やメッセージを伝える手法のことを指します。
ただ単に事実やデータだけを伝えるのではなく、感情を揺さぶるような物語や具体的なエピソードを組み合わせることで、相手に印象を与え、共感を得たり行動を促したりする方法で、マーケティングやブランディング活動に使われています。
ドラマなどを見られる方は経験されている人も多いかと思いますが、物語というのは人々の感情(エモーション)に直接働きかけます。
<共感>
登場人物が困難を乗り越える様子や喜びを感じる場面に触れると、聞き手や観客は自分自身の経験に重ね合わせて共感します。
<緊張感>
物語の中で起こる葛藤や課題が、聞き手の興味を引き、感情の高まりを生み出します。
<期待感と解放感>
物語の結末に向かう期待と、その期待が解消される瞬間が感情を動かします。
このような構造を組み込みストーリーに仕立て、情報を拡散したり、イメージを上げる手法をストーリーテリングと呼んでいます。
◆ストーリーテリングの活用例
例えば、地域の防災活動に取り組む自治体のストーリーを考えてみましょう。
登場人物は、地域住民や自治体職員。舞台設定は実際に災害が起きた地域や防災訓練の現場です。
問題解決の過程では、住民が災害に備えて訓練を受け、実際に災害が発生した際にどのように行動したかを描写します。
はなはだ簡単な構成ですが、ここにうまく肉付けをし骨太にすることで、読者に防災の重要性を伝えるだけでなく、自分たちも積極的に参加しようという意識を高める効果が期待できます。
ビジネスの現場でもストーリーテリングは有効です。
例えば、ある企業が新しい製品を開発した際、その製品がどのようにして生まれ、どのような困難を乗り越えて完成したのかをストーリーとして伝えることで、顧客に対して製品への信頼感や親近感を与えることができます。
ここに実際に製品を使用した顧客の声を取り入れることで、より具体的で共感を得やすいストーリーになります。
ストーリーテリングこのように応用がきくので、広報・情報発信を担当されている方は一度チャレンジしてもいいかもしれませんね。
◆効果的なストーリーテリングのために押さえるべきポイント
効果的なストーリーテリングを行うためには、いくつかのポイントがあります。
まず、ストーリーの構成をしっかりと考えること。序盤で読者の興味を引き、中盤で困難や問題を提示し、終盤で解決に至るまでのプロセスを描写します。この流れを意識することで、読者はストーリーに引き込まれ、最後まで興味を持ち続けることができます。
次に、具体的なエピソードや詳細な描写を取り入れることが重要です。抽象的な説明ではなく、具体的なエピソードや数字、証拠を提示することで、読者にリアリティを感じさせることができます。
また、感情を引き出すような表現(五感・喜怒哀楽・擬人化ほか)を使うことで、読者の共感を得ることができます。
さらに、文章だけでなく視覚的な要素を取り入れることも効果的です。
写真やイラスト、動画などを活用することで、視覚的に情報を補強し、読者の関心を引きます。
特にソーシャルメディアでは、視覚的なコンテンツがシェアされやすく、広がりやすい傾向があります。
さらに付け加えると、読者との対話を大切にすることも重要な要素となります。
読者からのフィードバックを受け取り、それを反映させることで、より共感を得られるストーリーを作り上げることができます。
読者がコメントを残せるようにする、アンケートを実施するなどの方法がとれると、双方向のコミュニケーションを促進します。
ストーリーテリングは、ただの情報提供ではなく、読者の心に響くメッセージを伝える手段です。
効果的なストーリーテリングを活用して、魅力的なコンテンツを作りましょう。