
<コラム>メディアリレーションズとは?
メディアリレーションズとは、企業や自治体がメディアとの良好な関係を築き、効果的に情報を発信するための活動を指します。
今回は、広報活動の一環として重要な役割を果たすメディアリレーションズの基本についてお伝えします。
◆メディアリレーションズの重要性
メディアリレーションズは、ご自身が所属している組織(自治体、企業など)が、新聞・テレビ・雑誌・ウェブメディアなどの報道機関(メディア)と良好な関係を構築することが目的となります。
メディアとの関係性が良好になると、プレスリリース等で発信する情報をメディアに掲載されやすくなる、あるいは情報源として認識されるようになるなど、その後の広報活動を円滑に運ぶ環境を手に入れられます。
実は、唐突に投稿されるプレスリリースの反応があまりよくないのは、メディアとの距離感が関係しています。
発信する側も人間、受け手であるメディアの担当者も人間です。通常の人間関係と同じく、初めて会う人には慎重に接する一方、相手がどういう人かわかってくると距離がぐっと縮まります。
メディアリレーションズをうまく構築できると、メディアとの距離感が縮まり、プレスリリース等での情報発信へのメディア側の反応も変わってきます。
◆メディアリレーションズを構築する基本ステップ
これらを踏まえ、メディアリレーションズを構築するための基本的なステップをご紹介します。
<メディアリストの作成>
メディアリレーションズの第一歩は、ターゲットとなるメディアのリストを作成することです。
ご自身が発信する情報に親和性の高い業界誌・新聞・テレビ・ラジオ・オンラインメディアなどをリストアップします。
<プレスリリースの作成>
プレスリリースは、メディアに情報を提供する重要な手段で、メディア側との接点づくりのきっかけにもなります。
そのため、メディア側にとってわかりやすい内容で作成する必要があります。
売り込みのような情報や誇大な表現は避け、重要な情報を冒頭に配置し、伝えたい趣旨を簡潔かつ明確に記述すると伝わりやすくなります。
例えば、PR TIMESが提供する「プレスリリースの書き方」など、専門的なノウハウを参考に作成すると良いでしょう。
<メディアへのアプローチ>
プレスリリースを作成したら、ターゲットとするメディアにアプローチします。
ネット環境が整っていなかった頃は印刷したプレスリリースを記者クラブへ直接持ち込んだり、ファックスで送信したりするのが一般的でしたが、現在はPR TIMESのようなプレスリリース配信プラットフォームを利用するのが効果的です。
また、最近はSNSで直接消費者にアプローチしてバズった結果、メディア側の目に止まるような事態も起きています。
<メディアとの関係構築>
メディアへの情報提供は上記のステップを踏めばできますが、重要なのはその後の対応です。
プレスリリースをもとにメディア側から取材が来た場合は、丁寧に対応するよう心がけてください。
また、取材メディアへの掲載が確認できたら、取材担当者にお礼を伝えたり、掲載サイトを自社サイトにリンクしたりするなど、取材へのリアクションをしましょう。(ただし、掲載サイトの記事や動画をそのまま無断で自社サイトに転載すると著作権法違反となる可能性もあります。転載許諾の確認も合わせて取ると良いでしょう)
一度取材等で関係ができたメディアには、その後のプレスリリースは個別に送るなどして、関係維持につながるよう心がけるのが望ましいです。
メディアリレーションズを構築する基本ステップは以上です。
プレスリリース等で情報発信していても、なかなかメディア取材につながらない企業・自治体は一度、メディアリレーションズの構築を検討してみても良いでしょう。
千葉県広報研究会が2025年3月に開催したトークセッションでは、「プレスリリース活用でメディア取材を獲得するコツ」をテーマにお話をしています。
メディアリレーションズにも関係するテーマでもありますので、ぜひ合わせてお読みいただければ幸いです。
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